股関節の痛みはグローインペイン(鼠径部痛)や変形性股関節症などがあります。
グローインペインは股関節の前側(コマネチライン)に見られる痛みで、骨盤のズレや体幹のインナーマッスル低下、腹筋の鍛えすぎなどが原因で生じます。
このような股関節の痛みは、股関節だけでなく、腹筋や下半身の筋肉がバランス良く使用できない状態になっており、筋膜に異常な硬さを与えてしまいます。
筋膜は身体の筋肉だけでなく、骨格や内臓などを包み込んでおり、筋膜の硬さは筋力低下や関節の硬さ、不良姿勢、動作不良、疼痛を生み出してしまいます。
これらの股関節の痛みに対して、私たちは動作分析や姿勢分析、身体の筋力や柔軟性評価、筋膜評価などを行い、痛みの原因を追求します。
その結果をもとに筋膜調整を行うことで身体を整えます。
症状改善後、改善した状態を継続していただくために、足りない筋力や柔軟性エクササイズ、日常生活の過ごし方、身体の動かし方を行います。また職業や競技特性に合わせたパフォーマンス改善につながるトレーニングも実施する場合もあります。
変形性股関節症は関節軟骨の変性・摩耗により関節構造の変形・破壊が生じる疾患です。
症状としては股関節の痛み、運動障害が生じます。
この病気は小児の頃に先天性股関節脱臼や先天性股関節形成不全が既往にある場合は2次的障害として発症する方も多いです。
変形性股関節症は、全人工股関節置換術という、変形・破壊してしまっている股関節を人工骨に入れ替える手術が施行されます。
しかしこの人工骨は耐久性が20年で、20年後に再手術する必要があり再手術を避けるために、手術を先延ばしする例も少なくありません。
その間は痛みを和らげたり、症状進行を遅らせるための薬物療法やリハビリなどを行っています。