ふくらはぎの痛みや不調には、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)・脛骨疲労骨折・アキレス腱炎(アキレス腱断裂)が挙げられます。シンスプリントやアキレス腱炎は、ふくらはぎの筋肉が強く収縮することで発症します。慢性的にふくらはぎに痛みや不調を伴う場合は、慢性的なふくらはぎの過剰使用を認めることがあります。この過剰使用が、アキレス腱やふくらはぎの骨(脛骨)に慢性的な負担をかけ続けてしまい、痛みや不調が生じてしまいます。
特に日本人は思想や生活文化的背景から、ふくらはぎの筋肉が発達しやすく、スポーツ選手にとっては注意が必要です。ジャンプ動作やスプリントといったスポーツ動作だけでなく、通常の歩行からふくらはぎの筋肉に頼った身体の使い方が、ふくらはぎを強く太くします。ふくらはぎではなく、ハムストリングス(もも裏の筋肉)を使うことで、ふくらはぎの筋肉にかかる負担を軽減させ、痛みや不調症状の軽減・障害予防につながります。
また強くて太いふくらはぎは、ふくらはぎの筋が過用状態であり筋膜機能異常を来します。筋膜は筋肉や骨・神経などを包んでおり、筋膜機能異常が生じると、筋力低下・柔軟性低下・痛み・不調の発生を引き起こします。