膝に痛みが出現する疾患に変形性膝関節症や鷲足炎、腸脛靭帯炎、ジャンパー膝、半月板損傷などがあり、少年期からお年寄り、スポーツ選手など様々な年代の方が痛めやすい部分です。鷲足炎(膝の内側)や腸脛靭帯炎(膝の外側)・ジャンパー膝(膝の前側)の痛みは、体幹機能の低下・姿勢不良・筋肉のアンバランスなどが一因で生じます。鷲足炎は膝の内側の痛み・腸脛靭帯炎は膝の外側の痛み・ジャンパー膝は膝の前側の痛みが生じます。
変形性膝関節症は膝関節軟骨の変性により、膝関節が変形する疾患です。多くの方は膝関節の人工骨置換術(TKA)を行うことで、痛みや運動機能を改善しています。しかし早期の段階では運動療法や関節注射を行い保存的に加療する方も多くいらっしゃいます。変形性膝関節症による痛みですが、軟骨がすり減ったこと自体による痛みと思われる方が多いかもしれません。しかし関節軟骨には痛みを感知する神経が存在しません。軟骨がすり減り、摩耗によって関節内の滑膜が刺激され、炎症を起こしたり、神経の圧迫などで痛みが発生します。重症度合いによって分類分けされますが、視覚的に見てわかるほど変形していたり、水が溜まる、痛みの質が鋭く強い場合は、手術が適しています。