毎年多くの女性が出産をしており、その中で妊娠中に45%、産後25%の方が骨盤の痛み(骨盤帯痛)や腰痛を発症します。この中でも産後3ヶ月以内に症状の回復が見られるものの、5~7%の方が順調な回復を辿らないと言われています。さらに産後の痛みは、骨盤の痛みと腰痛の併存・高齢出産・ストレス(職場や家庭内)があると解決に困難とも言われています。
産後の痛みでは骨盤の後ろ側(腰より下の仙腸関節と呼ばれる部分)や恥骨結合の部分に痛みが好発します。さらに、痛みは一定ではなく、歩行時・立位時・座位時・姿勢を変えるなどの場面で出現しやすいです。これは、妊娠や出産によって骨盤にある靭帯の緩み・お腹の筋肉(インナーマッスル)の緩み・筋膜の損傷が生じていることが大きく関係していると言われています。
靭帯やお腹のインナーマッスルは骨盤や腰椎を安定させる作用を持っています。またお腹のインナーマッスルは股関節のインナーマッスルと協調しています。そのため、お腹のインナーマッスルが弱くなると、股関節のインナーマッスルも弱くなり、股関節の痛みも発生させることもあります。そして、筋膜は骨や筋肉・靭帯・神経などを包んでおり、筋膜のトラブルも痛み発生の原因となります。