膝に痛みが出現する疾患に変形性膝関節症や鷲足炎、腸脛靭帯炎、ジャンパー膝、半月板損傷などがあり、少年期からお年寄り、スポーツ選手など様々な年代の方が痛めやすい部分です。鷲足炎(膝の内側)や腸脛靭帯炎(膝の外側)・ジャンパー膝(膝の前側)の痛みは、体幹機能の低下・姿勢不良・筋肉のアンバランスなどが原因で生じます。特に体幹の機能低下は膝関節に良くない影響を及ぼし、痛みを引き起こしている根本原因になりやすいです。鷲足炎は膝の内側の痛み・腸脛靭帯炎は膝の外側の痛み・ジャンパー膝は膝の前側の痛みが生じます。
変形性膝関節症は膝関節軟骨の変性により、膝関節が変形・破壊される疾患です。多くの方は膝関節の人工骨置換術(TKA)を行うことで、痛みや運動機能を改善しています。しかし人工骨は20年の耐久性しかなく、20年後には再度同じ手術する必要があります。そのため、再手術しなくて済むように手術を先延ばしして、痛みを抑えるための関節注射を行っている方も多くいらっしゃいます。変形性膝関節症による痛みですが、実は関節軟骨がすり減った痛みではありません。関節軟骨や関節のなかには痛みを感知する神経が存在しないからです。変形性膝関節症で生じる痛みの多くは何か。実は、膝周囲の筋・筋膜の硬さや筋力低下が原因となっていることが多いです。つまり、鷲足炎や腸脛靭帯炎・ジャンパー膝と同様の部分に痛みがある場合が多くあります。
筋膜は筋肉や骨・骨格・神経・内臓など、身体の全ての身体の器官を包み込んでいます。また筋膜の硬さ自体が痛みを生み出します。筋膜は身体の不良姿勢や不良な動かし方を繰り返すことで硬くなります。変形した膝を支えるために、働きすぎている筋肉と働けなくなった筋肉が現れ、この偏りが筋膜を硬くします。